ピラティスは更年期の症状を改善する?しない?【AUCE PILATES上田市】

ピラティスは更年期の症状を改善する?しない?

当スタジオには、更年期障害の改善や予防を目的として通われている方がそこそこいらっしゃいます。

実際にインターネットやSNSなどで発信されている情報を見ると、ピラティスは産前産後や更年期など、女性のライフステージにおける身体的な症状を改善する効果があるという文言を多く見かけます。

では実際に最新の研究論文など、エビデンスはどのようになっているのでしょうか?

今回はそんな疑問から記事をまとめてみました。

ではどうぞ。

結論

ピラティスは更年期の身体のバランスや姿勢の改善、睡眠の質の向上、心理的な症状の軽減、骨密度の維持ど、多面的に効果が期待できる。

根拠

参考文献

「Benefits of the Pilates method for postmenopausal women: systematic review(閉経後の女性に対するピラティス法の利点:系統的レビュー)」

ピラティスメソッドは、閉経後の女性のバランス、姿勢、睡眠、不安、うつ病、疲労、呼吸機能を改善することができます。

Oliveira, M., Clementino, A., & Oliveira, E. (2020). Benefits of the Pilates method for postmenopausal women: systematic review. Research, Society and Development, 9, 245974086. https://doi.org/10.33448/RSD-V9I7.4086.

「Effectiveness of Pilates and Yoga to improve bone density in adult women: A systematic review and meta-analysis(成人女性の骨密度を改善するピラティスとヨガの効果:系統的レビューとメタ分析)」

ピラティスとヨガは閉経後の女性の骨密度を維持し、強さとバランスに利益をもたらす可能性があります。

Fernández-Rodríguez, R., Álvarez‐Bueno, C., Reina-Gutiérrez, S., Torres-Costoso, A., Arenas-Arroyo, S., & Martínez-Vizcaíno, V. (2021). Effectiveness of Pilates and Yoga to improve bone density in adult women: A systematic review and meta-analysis. PLoS ONE, 16. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0251391.

理由

更年期と睡眠障害について

更年期の症状として最も多いのがホットフラッシュです。

更年期に入ると卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が低下します。

このエストロゲンの分泌低下に伴って交感神経系が活性化し、血管運動が障害されることで体のほてりが起こります。

これがいわゆるホットフラッシュと呼ばれるものです。

ホットフラッシュは睡眠中の覚醒に関与すると言われており、これが睡眠障害の要因の一つであるとされています。

ピラティスのメソッドの一つに呼吸があり、この呼吸によって睡眠の質が改善されるのではないかと考えています。

1分間に6~10回未満の深い呼吸は交感神経系を抑制し、副交感神経を活性化させると言われています。

ピラティスではゆっくりとした動きに合わせて呼吸を行うため、自然と1分間に6~10回未満の呼吸に近づいているケースが多く、この呼吸により自律神経が整い、睡眠の質が改善されているのだと思われます。

また、心理的な症状を軽減するのも、呼吸法による自律神経系の調整効果が要因だと考えています。

呼吸法と自律神経系の関連については、また後日記事にしたいと思うので、ぜひそちらもご覧いただけたらと思います。

更年期と骨密度について

前項でも言及しましたが、更年期はエストロゲンの分泌が低下します。

エストロゲンは骨の新陳代謝に関与するため、エストロゲンの分泌低下は骨密度の減少を引き起こし、骨粗鬆症のリスク因子となります。

ピラティスで骨密度を改善するという研究論文による報告はありませんが、維持をすることはできるとの報告はあります。

更年期だけでなく加齢による影響まで考えると、ピラティスで骨密度を維持できるということはポジティブに捉えられるかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

ピラティスの効果としては柔軟性や筋持久力の向上など、筋骨格系に関わるものがメジャーだと思われがちですが、自律神経系の調整効果も十分に期待できることが分かりました。

しかし、これはただ単にピラティスを行えば同様の効果を得られるというものではなく、ピラティスのどの要素が身体にどのような影響を与えるのか、詳細に理解していなければなりません。

健康増進・予防分野においてはインターネットやSNSの普及で、様々な情報が良くも悪くも簡単に手に入る時代です。

だからこそ、最新のエビデンスをもとに正しい知識を常に更新していき、周りの人たちの美容や健康の助けになりたいものですね。

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